なかやまきんに君のキャンペーンCMで話題…「検脈」にはどれくらい効果があるのか
「なかやま、検脈んです!」──。最近、お笑い芸人のなかやまきんに君が、指を手首に当てて自分の脈拍を測るACジャパンのテレビCMを目にする機会が増えたという人も多いだろう。「心房細動」の早期発見のためには毎日の検脈が大切だと啓蒙する日本心臓財団のキャンペーンCMだ。検脈は本当に有効なのか。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏に聞いた。
検脈とは、皮膚の下にある動脈の拍動を触って脈拍を測定する検査のことで、血管が皮膚表面に近いところを走っている手首に指を当てて測るのが一般的だ。
脈拍のリズムが乱れているか正しいか、速いか遅いかなど、脈の速さと規則性を把握できるので、心房細動をはじめとした不整脈のほか、頻脈や徐脈がわかる。
「正常な脈拍数は1分間に60~90回で、100回以上ならば頻脈、49回以下であれば徐脈となります。頻脈があれば、貧血、心不全、頻脈性不整脈などが疑われ、甲状腺機能に異常がある場合もあります。徐脈は、健常者でもよく見られる洞徐脈ならば問題ありません。しかし、心房から出る電気信号の心室への伝導が遅れたり遮断されたりすると、房室ブロックが生じます。重度になると脈が極端に遅くなるので、突然死のリスクもあります」