音楽を聴きながら計算するとパフォーマンスがアップする
運転中に音楽を聴くと気分が良くなる──。この意見に賛同する方は多いのではないでしょうか。音楽を聴くと脳の快楽回路、すなわち報酬系の働きが活発になるため気分が上がると言われています。
実際に、モーツァルトの音楽を聴くことで心身に影響を与え、脳の活性化や仕事の効率を上げると期待される現象に「モーツァルト効果」と呼ばれるものがあります。
1993年にカリフォルニア大学アーバイン校の研究者らによって学術的に注目されるようになると、99年にはハーバード大学が他の音楽でも同様の脳の活性化効果が得られると発表しました。
こうした効果を期待して98年、総合印刷業を経営する東京印刷は24時間モーツァルトの音楽を流す試みを始めたところ、実際に損失金額の減少や売上高の上昇、印刷ミスの減少などの効果をもたらしたと報告しています。導入後1年で、印刷ミスがなんと前年比7分の1に激減したとも。音楽がもたらす効果は計り知れないと言えるでしょう。
音楽を取り入れるとパフォーマンスが上がる。この作用は仕事だけではなく、勉強にも応用ができそうです。イタリア・ミラノにあるビコッカ大学のプロバービオらは、音楽が被験者の計算能力にどのような影響を与えるかを調査(2018年)しています。