あら簡単!最新健康テク本特集
「『外にいる時間』があなたの健康寿命を決める」坪田一男著
健康寿命の大切さはわかっていても、ジムに行ったり、食事を無農薬野菜だけにするのは難しすぎる! どれだけ健康に良くても、絵に描いた餅では意味がない。今回は、不眠や肥満、うつなど広範な症状を解決してしまえる簡単テクニックを解説した4冊をご紹介。
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「『外にいる時間』があなたの健康寿命を決める」坪田一男著
スウェーデンで近年、「ゴルファーの平均寿命が、そのほかの人々よりも5年長い」ことが報告された。著者は太陽光に含まれるバイオレットライトを浴びていることが要因だと分析する。バイオレットライトは特に目を通して健康に働きかける作用が大きい。
人の目は9つの光受容体を持っているが、見るために機能しているのはそのうちの4つ。残りの5つは脳の発達や体温調節など、健康にかかせない機能をつかさどっている。なかでも、「OPN5」という光受容体は活性化すると脳と目の血流が増え、近視やうつ病などへ予防効果がある。しかし、「OPN5」を活性化するのはバイオレットライトだけ。屋内では窓ガラスや眼鏡などで遮断されてしまい、浴びることができないのだ。
著者はバイオレットライトを浴びるための活動を「おそとぼっこ」と命名。「少し上を向いて外歩き」「通勤中は10分だけでも外に」などの簡単テクニックも必見だ。 (サンマーク出版 1760円)
「睡眠・食事・運動で変える24時間のリズム習慣」塩谷英之著
「睡眠・食事・運動で変える24時間のリズム習慣」塩谷英之著
定年や子育てが一段落する年齢になると、はじめて24時間の「概日リズム」で生きることが可能になる。
ところが、「定年うつ」「夫源病」など、60代は人生の危機を迎える時期でもある。これらは、社会的リズムから解放されたにもかかわらず、自分らしいリズム(=マイリズム)を見つけられないでいる状態、つまり「リズム難民」と呼べる。高齢者のリズム難民は不眠や軽度認知障害の予備群となってしまうのだ。マイリズムを作るために多くの人が意識する睡眠。しかし、できるだけ長く寝ようと朝9時過ぎまでベッドにいて昼までぼんやりしていては意味がない。大事なのは“昼の時間をいかに活動的にするか”なのだ。家事中にきびきび動く“ながら体操”をすれば、簡単に昼の活動量を確保できる。
「休日の寝だめはよくない?」「家族との生活リズムの違いはどうしたらいい?」など19の巻末Q&Aも具体的。マイリズムを守るヒントが見つけられる。 (Gakken 1650円)
「肝臓大復活」栗原毅著
「肝臓大復活」栗原毅著
肝臓にたまった脂肪肝を放っておくと、糖尿病、動脈硬化などの疾患を招く。近年、「あらゆる病気の出発点である」という見解が主流になっているのだ。
肝臓ケアのために酒や脂ものを控えるという人も多いが、脂肪肝は非飲酒者や痩せ形の人にも多い。「フルーツを毎日食べる」こともよくある間違いだ。フルーツはビタミンが多く健康なイメージが強いが、問題なのは果糖の過剰摂取だ。同じ糖でもブドウ糖とは違い、果糖は全身のエネルギーになることはない。果糖が処理されるのは肝臓だけで、非常に大きな負担をかけてしまうのだ。
逆に毎日食べた方がいいのが「酢納豆」。ただ、通常のタレには“悪玉糖”の果糖ブドウ糖が加えられているので、酢に代えるのが良い。酢に含まれる酢酸とクエン酸には、肝臓で脂肪を代謝するのに必要な酵素を活性化させる働きがあるのだ。
巻頭に脂肪肝チェックテストやOK・NG食品一覧など便利な折り込み口絵付き。 (東洋経済新報社 1650円)
「10000人を60年間追跡調査してわかった健康な人の小さな習慣」大平哲也著
「10000人を60年間追跡調査してわかった健康な人の小さな習慣」大平哲也著
日本を代表する疫学研究「CIRCS」は60年以上にわたって日本の各地域を比較しながらビッグデータを収集している。
その研究から明らかになった日本人の健康の普遍的法則は、次の5つだ。①たばこは一切吸わない②お酒は1日2合未満③塩分を減らしカルシウムを増やした和食をとる④座位時間を減らして適度な有酸素運動をする⑤肥満を解消する。
「当たり前じゃないか」と感じるようなことだが、「健康に都合の良い答えなんて存在しない」と受け入れ、これらの原則にのっとった習慣を手に入れるべきなのだ。例えば寿司や刺し身を食べるときは、醤油はネタの片面だけにつけよう。塩味を感じる舌に接するのは結局片面だけなので、この習慣によって塩分摂取量を半分に抑えることができる。
ほかにも、「飲酒量を抑えるには小さなグラスを」「リモートでも通勤と同じ時間帯に散歩やストレッチを」などラクして健康になれる最適解を伝授。 (ダイヤモンド社 1694円)