「じゃまかわいいネコハラ」にゃんこ編集部編
「じゃまかわいいネコハラ」にゃんこ編集部編
セクハラ、パワハラ、カスハラとハラスメントだらけの世の中だが、こんなハラスメントなら、被害者になるのも悪くない。
そう思わせるのがネコハラ(ネコたちによる飼い主へのいやがらせ・ハラスメント)だ。
本書は、飼い主さんたちが撮影した「被害の証拠」写真集だ。
まずは「おじゃま虫ハラスメント」の被害報告。
パパが広げた新聞の上に「よいしょ」と我が物顔で寝転ぶ白ネコの「大福」さん。新聞が読めなくても、可愛くてしばらくなでたり、優しく「どいてよー」と声をかけていたパパだが、全然どかないから最終的に強制撤去となり、その姿もパチリ。
三毛猫の「よもぎ」さんは、ママがトイレに行ったすきに使用中のノートパソコンのキーボードの上に鎮座。ママが戻ってきても、どこ吹く風のおすまし顔で、その間、モニターには延々と意味不明の文字が打ち出されていく。
こちらも三毛猫の「きなこ」さんは、ソファに寝転がって漫画を読んでいたお姉ちゃんのお腹の上にどかり。漫画が見えないので腕を上げて読んでいたら、今度は「わたしを見なさいよ」と言わんばかりに前足の肉球をお姉ちゃんの顔に押し付けてきた。
ほかにも、キッチンの調理台の上に腹ばいになって料理を阻止する白キジの「ピリカ」さんなど、そのどや顔からネコたちもすべてを分かって、飼い主を困らせているとしか思えない。
「使わせないハラスメント」では、さまざまなモノをネコに奪われ使用できなくなった被害が報告される。飼い猫6匹にソファを占拠された写真では、リーダー格の「ちゃたろう」さんが、その中心でクッションにもたれかかりながら、腹を突き出しており、まるでおっさんがくつろいでいるかのような貫禄を見せる。
傑作は、キッチンのコンロの上に乗ったフライパンにまるで調理してといわんばかりに収まった茶白の「ヤンチャ」さん。そのたびにフライパンを洗い直したり、散らばった毛の掃除をしたり、飼い主さんは手間がかかって仕方ないと嘆くが、なぜか笑ってこうして写真を撮ってしまうそうだ。
そう、ネコハラがほかのハラスメントと違うのは、被害者がみな笑顔になること。どの写真からも飼い主さんたちの猫への愛が、ちょっぴりのうちの子自慢を交えて、伝わってくる。
ほかにも、美髪のために買ったシルク枕を横取りして、飼い主さんよりも先に毛並みがツヤツヤになっていく白キジの「琥珀」さん、テーブルの上でテレビのリモコンを抱きしめるキジトラの「ムギ」さん)、洗面ボウルの中にまるまって眠る茶トラの「とらちゃん」さんなど、ネコ飼いの家は何事にも猫ファースト。
以降、「圧が強い」「(いたずらを)やらかす」「行かせない」などさまざまなネコハラ写真に、ネコ好きもそうでない人も思わずニヤリとなることだろう。
(ジーウォーク 1320円)