追悼みのもんたさん プロ野球「珍プレー・好プレー」のアテレコ“特別編”を隣で聞けた貴重な思い出
みのもんたさん(享年80)が今月1日未明に死去した。1月に食事を喉につまらせ、心肺停止状態になり入院。そのまま自宅に戻ることなく息を引き取った。
私もみのさんと一緒に仕事をしていたこともあり、その人柄を偲ぶ出来事は少なからずある。
「1週間で最も多く生番組に出演する司会者」として、2006年にギネスに認定された当時はテレビをつければ、そこにみのさんがいる金太郎アメ状態だった。そんなみのさんも、もとはといえば「プロ野球ニュース」(フジテレビ系)の珍プレー・好プレー特集のナレーション(珍プレー選手に勝手なアテレコをつける)で人気に火がついた。
80年代、プロ野球選手の運動会の特番が東京ドームで収録されたことがあった。みのさんがMCで、私たち(ABブラザーズ)はサブ的な立場で共演した。巨人のスター選手や、中日に移籍して20勝した西本聖ら、豪華な有名選手が競技や仮装で対決するスペシャルな企画だった。
選手がハードル走や棒倒しなどを行う様子をMCとして3人で見ていた最中、みのさんが選手のアテレコをアドリブで始めた。
「どけ、このヤロー」「痛て(いてて)。何しやがんだい」「おい◯◯(選手名)。足遅いな」
もっとも、競技中はマイクはオフ。つまり、私たちを笑わすためだけに声色を変えてブツブツしゃべってくれた。
「あー、もう帰りたいなあ」「◯◯(選手)どうして〇〇〇するんだ」とテレビでは言えそうもないことも面白おかしくベラベラと。
こちらはおかしくてゲラゲラ笑った。映っていない間は無言の大物芸人も多いが、みのさんは元局アナなのに、共演する若手にも本当にサービス精神旺盛だった。