会社員から落語家へ 立川談慶さん語る「二つ目」までの9年半

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 それがいかに大甘だったかって知るのは、入門後なわけですが、今から思えば、師匠の内面を知りもしないで勝手に算段し、よくぞ飛び込んだものだと恥じ入る次第です。

 入門後、私が借りたアパートは、師匠のご自宅があった練馬区大泉学園のそば。2階建ての木造で築50年は優に超えてると推測される年季入りの6畳一間、トイレ共同で家賃は2万円でした。

 壁なんて、薄くて薄くて。隣室のオナラまで聞こえるぐらい。ある時、隣室のお兄さんが在室してるのに、留守と勘違いして落語の稽古をしてたら、バットで殴られるんじゃないかってぐらい凄いけんまくで怒られたこともありましたねえ。

 でも、敷地内でミョウガを栽培して、オカズや味噌汁の具にできたんですから、一概にマイナスばかりでもない。貧乏長屋の雰囲気を知るってのも勉強でしたね。

■上納金未納で“3倍返し”も

 それでも、なかなか昇進できません。一番キツかったのは、そのいら立ちや自分の不甲斐なさなんですが、経済的にも冬の時代でした。貯金はドンドン減っていくばかりです。

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