中3少女誘拐事件と不気味な符合 映画「ルーム」の衝撃度
埼玉県朝霞市で15歳の少女を2年前に誘拐した寺内樺風容疑者。長期の監禁に加え、ときには少女を連れ歩くなど、その異様な犯行が次第に明らかに。ネットや書籍から入手した失踪者向けマニュアルを参考にして少女に偽装の手紙を書かせるなど、手口の周到さも際立っている。
そんな中、日本公開されるアメリカ映画「ルーム」が、まるで事件をなぞったかのような衝撃的な内容だと話題になっている。
エマ・ドナヒューのベストセラー小説「部屋」を、原作者自身による脚本でアイルランドの映画監督レニー・アブラハムソンが映画化。世界中の映画賞で絶賛され、先日発表された米アカデミー賞でも4部門ノミネート、母親役ブリー・ラーソンが最優秀主演女優賞を受賞したばかりである。
彼女が演じるのは、小さな部屋に5歳の息子とともに監禁されている若き母親。実はこの監禁生活は7年間にも及んでおり、つまり主人公はこの「部屋」で妊娠出産させられたことになる。映画は生まれて一度も「部屋」を出たことのない息子との脱出劇と、予想もつかぬその後の展開をスリリングに描く独創的なミステリーだ。