“飲み食い”ドラマの先がけ 「孤独のグルメ」の偉大な功績

公開日: 更新日:

 この発表を聞いたとたん、フジテレビ幹部は「チッ」と舌打ちしたに違いない。テレビ東京の人気ドラマ「孤独のグルメ」が、この夏、スペシャル版を放送するという。

 番組企画はもともとフジテレビに持ち込まれたが、当時の幹部が一蹴。ところが、テレ東で人気番組になるや上層部が「どうしてウチでやらなかったのか」と激怒したのはもはや有名な話。

 昨年10月に放送されたシーズン5も好調で、深夜ながら5%の視聴率を記録している。これはゴールデンなら15%に匹敵する数字だという。さらに、番組から火がついて久住昌之の原作本もすでに60万部を突破、DVDも常にランキングの上位で、ネット配信でも固定ファンをガッチリとつかんだ鉄板コンテンツになっている。

「孤独のグルメ」の凄さはそればかりではない。ドラマ界の流れ自体を変えてしまった功績もあるのだ。シーズン1が放送された12年1月以降、「めしばな刑事タチバナ」「たべるダケ」「昼のセント酒」(いずれもテレビ東京系)、「花のズボラ飯」(TBS系)など主人公が食べたり飲んだりするだけのユル~いドラマが続々と登場している。このブームは当分収まりそうにない。

 そして、まだ発表されてはいないが、今年10月にはシーズン6が放送されるのも当然の流れ。今や中高年だけでなく、女性視聴者にも好評な“飲み食い”系ドラマ。「孤独のグルメ」を最初にドラマにしようと思い立ったプロデューサーはエライ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差