名物TVマンが語る<上> ビートたけしは持ち込み企画を量産
普段何も言ってくれないたけしさんが喜んでいる……また喜ばせたいと思ってしまう。そうやって何もしなくともこちらが動いてしまう、喜んで欲しくて皆が動く。触媒的な“人たらし”。たけしさんは間接的に人を動かすのが絶妙で、直接的な言葉は使わないのです。
映画監督の前から既にクリエーターとしても実力を発揮していたことはあまり知られていません。実は「風雲!たけし城」「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」など、たけしさんの持ち込み企画も多かった。「たけし城」は、ゲームのスーパーマリオブラザーズの実写版、「元気が出るテレビ」はリアリティーショー全体のルーツになっています。「元気が出るテレビ」のDNAは、「進め!電波少年」「世界の果てまでイッテQ!」を生み出している。
そのクリエーティビティーの裏には膨大な読書という裏付けもありました。映画「座頭市」で、華麗なタップダンスを見せたことでも知られるように、人に努力しているところを見せないたけしさんは、フライデー襲撃事件の後はひたすら読書に時間を費やしていました。