「自宅リビングのように」 吹越満が語る“行きつけ”の条件
そしてみんなと別れた後、行きつけの店でいったん頭の中をクールダウンさせて、一日を整理することにしています。それにはやっぱりお酒が必要不可欠だし、自宅のリビングのように気を使わずに過ごせる居心地のいい場所じゃないとNG。
そんな店が下北沢に何軒かあります。ひとつは僕と同じ青森出身のマスターが経営するロックバー。いまだにアナログのレコードというこだわりが好きで、30年以上通っている。もうひとつは指定席、専用の灰皿と愛用の帽子をかけるフックもあるバー。もうここまでくると、ほぼ自宅ですね。ここでグラスを重ねることが総仕上げ。明日への糧です。
■京都で入った店では不思議な縁も
不思議な縁もありますよ。12、13年ほど前、京都で時代劇のロケが続いて、月に10日ほど京都住まいしたことが何度かありました。そうすると、いつものように“リビング”が欲しくなる。それで先斗町の端から順に「これぞ!」と思ったバーのドアを開けることにしました。フィーリングに合いそうだと、とりあえずカウンターに座ってみる。