ユーミンに中島みゆき ニューミュージックの女王の現在地
松任谷は還暦の際のステージで「古希でもミニスカでやっていると思います」と宣言しファンを沸かせたが、中島も「気持ちとしては、新しい元号になっても歌い続けていきたいですね」と語っている。1970年代のデビューからもうすぐ半世紀、まだ物語は終わりじゃないというわけだ。
社会学者の太田省一氏はこう言う。
「ユーミンというと、作詞・作曲で、原田知世さんの歌った『時をかける少女』(83年)が私にはまず思い出され、青春の甘酸っぱい思い出が映像と共に蘇ります。中島みゆきといえば、『地上の星』(00年)の力強いメッセージ。同じ50~60代の皆さんなら、人生の物語の中にふたりの歌が流れているでしょう。誰もが口ずさむようなヒット曲が出ないようになって随分たちますけど、ふたりの楽曲は世代を超え時代を超えて、聴かれ、親しまれ、歌い継がれていく日本のスタンダード。そんなふたりが今も現役で最前線を走り、昭和の頃と変わらない雰囲気も残して活躍しているという姿は、懐かしい安心感と共に、この時代への大きなエール、励ましがあるようにも思います」
中高年は老け込んでいる場合じゃない。いろいろあるのが人生だが、ファイト!