自宅1階に寄席を開業 「こんな使い勝手のいいゲストは…」
「狭いんで、定員は35人ですが、マイクなしでも声の通りがいいでしょ。お客さまが座布団を持って好きな所に座れる。昔の本牧亭の桟敷みたいに、壁に寄りかかって足を投げ出してもけっこうですしね。椅子がいいという方にはパイプ椅子を使っていただきます」
至れり尽くせりの気遣いで、いかにも地域密着型の寄席という親近感がある。ここは好楽が所属する5代目円楽一門会の若手のための貸席なのか。
「落語協会、落語芸術協会、立川流の皆さんも大歓迎です。師匠の先代円楽が言ってました。『落語家は協会に弟子入りしたんじゃない。協会の垣根を取り払わないとね』って。実際に芸協の若手がよく使ってくれてます。たまにゲスト出演を頼まれるんですが、あたしの場合、2階から下りてくるだけなんで、交通費がかからない。こんな使い勝手のいいゲストはいませんよ」
確かに、自宅に寄席を持つと便利この上ない。
「それと、正月は一門の新年会の会場になる。客席にテーブルを置いて大宴会を開く。そういう使い方もしてます」(つづく)