“第2の渡瀬マキ”から転身 美人女将が赤裸々に語る紆余曲折
同本では生い立ちから現在に至るまでのつらいエピソードも隠さず赤裸々に明かしているが、「抵抗は全くなかった」。むしろ心配したのは、「旅館のイメージダウンになるのではないかということ。ただ“過去も含めてあなたの人生でしょう”と大女将(実母)に言ってもらえて救われた」と振り返る。
身も心もボロボロになり東京から帰省したのは30歳のとき。音楽への未練を断ち切り、実家で働くにあたっての覚悟が凄まじい。あえて借金をつくり、逃げられない環境を課した。
「ブラックダイヤのピンキーリングとサファイアがちりばめられたスネークリングを買ったんです。3年ローンで100万円。ほんとう、バカですよね(苦笑い)」
後先考えずに直感で動くのは昔からだが、「無知の強みだけで生きている感じ。それでも回り道を繰り返し、そこで出会った人々や環境の変化に助けられたことで心の病から抜け出せた。生きる喜びとなる音楽と、生きる目的となる女将業に出合えました」。
■何があっても微動だにしない
夏休みシーズンを控え、バリ島アグン山やハワイ島キラウエア火山の噴火による影響が懸念されているが、日進舘も例外ではない。今年1月の本白根山噴火以降、客足は3割減。警戒レベルは3から2(火口周辺規制)へ引き下げられているが、いまだに風評被害に悩まされている。
「私たちにできることは何があっても微動だにしない宿づくりをすること。毎日、200%の全力を出し切ります!」
ロックな女将、万座にあり――。