小島一慶さん<3>永六輔さんに喜んでもらうため喋っていた

公開日: 更新日:

「いま考えると、仕事なのか遊びなのか、判然としない面白さがあったような気がします」

 1970年から小島さんは深夜ラジオ「パックインミュージック」の月曜深夜(日付は火曜)を担当。放送は365回、7年にわたった。

「最初は大村麻梨子さんの後任で金曜日を半年ほど任せられたのですが、そのうち桂三枝(現・文枝)さんとやっていた『ヤングタウンTOKYO』の評判がよかったのか、パックの火曜に抜擢された格好です。当時のパックは人気絶大で、1週間に2000~3000通のリクエストはがきが来ました。なので、放送は深夜の0時半からなのに僕はお昼ぐらいにはスタジオに入って、ひたすらはがきを読んでいました。当時、『トッポ・ジージョ』の声優をやっていた山崎唯さんが突然電話してきて、『奥さんの久里千春さんと雪見酒をやっているから出してくれ』と言ってきたりと、生放送ならではのいろんなことがありましたね」

 高校生が大半のリスナーの中に、毎週、はがきを送ってくる北海道小樽のおばあちゃんがいた。若い小島さんが風邪をひかないよう、はがきと一緒にマフラーを送ってくることもあったという。そのことが忘れられず、小島さんは後に2度ほど小樽に女性を訪ねている。

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