小島一慶さん<2>サラリーマンというのは上司次第ですね

公開日: 更新日:

 TBSに入社して最初の上司は、アナウンス室長の小坂秀二さん(03年没)だった。

「軍医として軍隊を経験していますから、きっちりとされた方でした。眼高手低で、理想ばかり高くて実力が伴わないのでは意味がないと諭され、ただうまいだけのアナウンサーにはなるな、いいアナウンサーになれと教えられました。いいアナウンサーとは人間性も含めての意味です。また、先輩であっても『批判的に見なさい』とも。小坂さんは、自分の職業を略すバカがあるかといってアナではなく、アナウンサーときっちり発音したし、自分たちが使う道具を略す道理があるかといって、マイクもマイクロホンと正しく言った。だから僕も三つ子の魂で、アナウンサー、マイクロホンと、きっちりしゃべってしまいますね」

 小坂さんはTBS退社後、相撲評論家としても活躍した好角家だが、双葉山を“第35代”横綱と呼ぶと、「何代目と呼ぶのは、先代が死去したり引退して名跡を引き継ぐ場合だ。正しくは35番目の横綱と呼ぶべきだ」と語っていたという。

 そんな厳しい小坂さんに鍛えられた小島さんだが、アナウンサーとして最初に任せられた仕事は前田武彦司会の「ヤングポップス」だった。

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