優しい大家さんはガンコ婆に 実体験を巧みに詞をアレンジ
――家をお貸し致します時には勉強をされますやうには充分申し上げました。1年後に栗原さん(清志郎)を紹介されまして(中略)交流練習が夜半まで数回勇ましく音楽業とは申せ驚き入りました。
「“栗原さん”が来てから騒音が出始めたのですね。この実体験をもとにし、のちにレコード化されたのが『恐るべきジェネレーションの違い(Oh,Ya!)』(82年)という曲。清志郎さんは、大家の言うこともわかるが、僕には僕の生活がある、と。『頭を黒くして仲間に入ればいいのに』と歌っています(笑い)」
ただ、リンコによると、「大家さんは優しいおばあちゃん。孫のように接してくれた、とてもいい人」だったという。
大家さんのお願いはこう続く。
――私だけなれば我慢も出来ますなれど、近所から申し入れを受けました。近時に至って役場よりきびしく家主故と注意も入りました。私も止めるやうに行きましたが、そのたびに起き出て行くのも全く迷惑になりました。
「こんないい人を、詞世界では意固地で頑固な大家に仕立ててしまった(笑い)」