ツアーにこだわり…衣装50着&靴20足を特注コンテナで輸送
ロックバンドの楽屋は、好き勝手に騒がしくしているだろうというイメージがある。80年代、RCサクセションの衣装係兼楽屋まわり担当だった片岡さんに聞いた。
「楽屋はすごく静か。チャボさんのラジカセから適度な音量でロックやソウルが流れ、メンバーは黙々と楽器を爪弾いている。楽屋入りした清志郎さんは、紅茶、お灸、ストレッチ、メーク……と、ルーティンを始めます」
ド派手なステージ衣装でブレークした清志郎の衣装類は、想像を超えるほど大量だった。
「清志郎さんの衣装ケースは特注のコンテナで、機材用のハードケースと同じ強度の材質。それまでのケースの5倍も大きいサイズをオーダーメードしました。そこに衣装50着、アクセサリーとメーク道具、靴20足を収納。新調した衣装をメインに、全国ツアーに出ます」
清志郎のコスプレがファンの間で流行した。
「清志郎さんの友人スタイリストが、独特でユニセックスな世界をつくった。赤、黄色、ピンク……派手な原色、フリルの付いた女性もの、首に何重にも巻いたストール、チープなアクセサリー。自分でも手に入る服でアレンジできるという手軽さが真似しやすかったみたい」