尊敬するJBを深化させた“マント・ショー”で客席盛り上げる
“ライブの王様”といわれたRCサクセションのステージは、プロフェッショナルに計算された中に、息を抜いた「笑い」の場面も盛り込まれていたという。
RCの絶頂期と2004年以降、衣装係だった片岡さんは清志郎の「ユーモア」の側面を語る。
「89年のツアー。アンコールの拍手が鳴り続ける真っ最中、突然、清志郎さんは舞台袖にあった会館掃除用のホウキを手にし、汗を拭いていたタオルで頬っかぶり。舞台下手からセンターまで、無言で掃除を始めたのです。どうやら清掃係に扮したつもりで(笑い)」
清志郎の予期しない奇行にファンは唖然。
「すると、眉間にしわを寄せながらジェスチャーで『掃除の時間だから、アンコールはやらないよ』と客席に手を振った。さっきまで熱いパフォーマンスを繰り広げていたカリスマの輝きは、このヘンなオジさんにはありません。じらした揚げ句、『仕方ない、じゃあやるか』と、メンバーをステージに呼び込むのです」
この「寸劇」は大受けで、次第にチャボやメンバーも巻き込んで定番となる始末。「清志郎さんは、単なる思いつきでも飽きるまでしつこくやるのが特徴」と片岡さん。