「ドクターX」の海老名副部長が自分の素に一番近いと思う
下積み時代が長く、ブレークしたのは40代になってからだが、きっかけは何だったのか。
今のうちの事務所、女房と独立してつくったんですけど、オファーが来て少しでも何か面白いものが引っかかったら、引き受けちゃうんですよ。普通はこの期間は完全オフにして、何も入れないって方法を取るんでしょうけどね。
若い時のことがあるからでしょうかね。当時はチンピラとか犯人役ばかりしか回ってきませんでした。それで、もっといろんな役をやりたいという欲求不満がたまっていて、面白そうだなという役が来ると引き受けちゃうんです。
犯人とかチンピラはもちろん刑事とかヤクザの役も、本当の自分とは程遠いです。強いていえばドラマ「ドクターX」シリーズの海老名副部長役かな。あの役が自分の素に一番近いなと思っています。あのドラマでは自分の素に緊張感を持たせて楽しんで演じるという感じですね。ちょっとおどおどしていてひょうきんで、まったくどっしりとしていない(笑い)。
でも、自分の役を創作していくという意味では今度の映画「アウト&アウト」です。その転機になったのは01年に公開された三池崇史監督の「天国から来た男たち」に海野という囚人役で出演させてもらったことですかね。前から三池監督作品に出たくて、ある芸能人の結婚パーティーの2次会になだれ込んで酔っぱらった勢いで監督に「俺をなんで出さないんだ」と絡んだんですよ。