高橋一生の人気にかげり? “テコ入れライブ”を潜入ルポ
18時半の開演以降、オープニング曲を歌う4人組ポップスバンド「Shiggy Jr.」のライブに続いて、この日の目玉であるドラマ出演者らによるトークが行われたのだが、さすが、ハラハラドキドキとは無縁のドラマだけのことはある。主演俳優が披露したのは、自宅で観葉植物の葉ダニ対策にハエトリグモ4匹を飼っているという平穏なエピソード。唯一驚いたことといえば、女優の北香那(21)が、朝から白米2合を平らげるもいつも腹ペコで、毎日自宅から最寄り駅まで20分かけてチャリで通っているという新人らしい話ぐらい。
■主役を“食った”インディーズバンド
コーナーの合間に巨大スクリーンで流れるチェインストーリー(ドラマ本編の裏側や秘密などを描いた短編動画)はイベント限定かと思いきや、ネット配信の再上映。会場全体に見飽きたムードが漂い始めた頃、空気を変えたのが、主題歌を歌うロックバンド「SUPER BEAVER」の登場であった。
誰だそれって感じだが、それは本人たちも百も承知。現在は4人組のインディーズバンドだというが、「活動歴14年の中でメジャーにいたこともある。だから、おカネとか政治とかちょっと分かる。関係者はどう考えてもむちゃしてくれたんだ!」と、連ドラの主題歌に抜擢された喜びをボーカルの渋谷龍太(31)が熱弁。「いつもは100人も満たないライブハウスでやらせてもらってます!」と泣かせる苦労話まで飛び出し、今宵の主役の座は完全に無名のバンドマンたちへ――。「この場所で皆さんに会えた奇跡!」と絶叫していたが、あなたたちの存在自体が奇跡だよ、と思った観客は日刊ゲンダイ記者だけではないだろう。
そんな誰が主役だかよく分からないチグハグなイベントは、大歓声の中、3時間の幕を閉じたのだった。ちなみに主役は高橋一生であることをお忘れなく。