ブルースはまだ続いている。もう一度言おう、夢を忘れずに
「2008年2月10日、『日本武道館・完全復活祭』のラスト、長男・竜平さんと長女・百世さんがステージで花束を手渡す。もちろん知らされていなかった清志郎さんは、驚きと喜びと同時に照れを隠せない。素に戻って『家族は出すなよ~』と言い、会場は爆笑と涙。これは三宅伸治(ギター)さんのアイデア。何万もの人を前に恥ずかしがる子どもたちに、清志郎さんはお辞儀を促す父親の顔をのぞかせました」
09年5月2日、午前0時51分、忌野清志郎は旅立った。周囲に多大な影響を及ぼしたうち、清志郎から片岡さんが受け継いだ財産とはなんだったのだろうか。
「数ある思い出の中、一番の転機だったのは『忌野旅日記』の聞き書きをしたことです。85年、私も初ツアー同行から約3年、ファンクラブ会報制作にも慣れた頃。ツアー先のホテルで清志郎さんから『たまきにうってつけの仕事があるんだけど……』と相談されたのが、FM音楽誌の連載話でした」
隔週連載で、交友関係を紹介、デフォルメされた清志郎の描いた似顔絵が大好評で単行本化された。