「売れると、飲みたくもないお茶が出てくるんだよ」
RCサクセションが出演したNHK教育(現・Eテレ)の若者向け討論番組「YOU」の反響は凄まじかった。
これより以前、RCサクセションは「アサヒグラフ」(81年2月13日号)の表紙にも取り上げられている。特集記事では《若者の感性をうつRCサクセション》の主題のほか、副題に《サウンドのアナキスト》と付けられるところなど、実に「アサヒグラフ」らしい。
前後の表紙人物としては、ウルフブーム真っただ中の千代の富士、行財政改革の土光敏夫らそうそうたる顔ぶれが並んでいた。
「1980年6月に発売したライブアルバム『RHAPSODY』が高く評価されました。前作から4年ぶり、アコースティックからエレキ編成になって初めてのアルバムが、スタジオ録音でなく、生の勢いが表現できるライブ盤というところに意味があったと思います。ブレークの瞬間の熱気を再現したアルバムは、のちに『ライブの王様』と呼ばれたRCのターニングポイントになりました。そして、『アサヒグラフ』という権威あるグラフ誌に箔付けされたRCは、時代のアイコンと認められたのです」