故内田裕也さんのロックな人生 破天荒の裏の“冷静と情熱”
「たった一人では何もできない」
だからこそ、1975年に英ロックギタリストのジェフ・ベック来日公演をプロデュースしたり、年越しライブ「ニューイヤーロックフェスティバル」を立ち上げ、恒例行事にするといった功績を残せたのだろう。2014年の著書「ありがとうございます」には、《人生で何かコトを起こそうというとき、たった一人では何もできない》とあり、理解者や協力者の存在あってこそという持論を語っている。
私生活では、先ごろ亡くなった妻の樹木希林さんと40年以上別居し、女優の島田陽子らと浮名を流した。強要未遂と住居侵入容疑で逮捕されたのは、50歳の客室乗務員へのストーカー行為を繰り返した果てのこととされる。齢71のことである。
1939年、兵庫県西宮市出身。プレスリーに憧れ、ロックンロールを志して高校を中退、バンドボーイからはじめて、バンド活動やプロデューサーとなり、俳優など多方面で活躍した。一カ所にとどまらず、転がる石のような生き方は今月17日、肺炎のため入院先の都内病院で幕を下ろした。享年79。
訃報を受けて、矢沢永吉(69)、ミッキー・カーチス(80)、布袋寅泰(57)らが続々と追悼コメントを発表している。後日行われるお別れ会でも何かが起こりそうな、ロックな人生であった。