著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

「発光」し始めた高山一実 自分なりの道を踏み出し輝く

公開日: 更新日:

 しかし、いざアイドルになってみると、自分が好きだった理想のアイドル像と、自分がなれる現実のアイドル像との乖離に落ち込んだ。今は作品の裏側のメーキングから見せる時代。取り繕って理想的なキャラクターを演じていても、すぐに化けの皮が剥がれてしまう。だったら、自分にしかできないことを見つけるしかない。それが、アイドルをやりながら小説を書くことだったのだ。

「アイドルになった今でもアイドルになった気がしてないし、誰よりもアイドルについて考えている自信はあります」(バズフィードジャパン「BuzzFeed News」19年2月8日)

 そう語る彼女が、5分間ではとても言い足りない自身のアイドル観を詰め込んだのが、「トラペジウム」なのだ。

「普段の自分だったらやらないような、リミッターを外すぐらいの行動をした時って、昨日までとはぜんぜん違う今日を楽しめる」(KADOKAWA「ダ・ヴィンチ」19年1月号)

 ということを、アイドルの世界に足を踏み入れて感じた高山は、小説の世界にも思い切って飛び込んだ。小説のオファーが来たときに吹き込んだボイスメモが残っているという。

「何年後かに聞いてくれた自分に言います。これを書き終えた後にきっと何かが変わると信じて書きなさい!」(同前)

 高山一実は憧れたアイドルとは違う自分なりの道を踏み出した時に、彼女たちと同じように自らが「発光」し始めたのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動