紫綬褒章を受章 オール阪神巨人“凸凹コンビ”45年の軌跡
褒章受章を受けた記者会見でも、「今回初めて家族がオォーッとなりました。これまでは全部鼻で笑われてて」と阪神が言えば、すかさず巨人が「今までもろうてきた賞はどうなんねん、アホ」と鋭く突っ込む。上方漫才大賞を史上最多の4度受賞した実力と魅力はこのあたりの掛け合いにあるのだろう。ステージに立ち、並んでマイクに向かうだけで、お互いの調子や健康状況まで通じてしまうのだそうだ。
■「こんな褒美も」
ベテランになってからは上方漫才界のみならず、お笑いや芸能界の重鎮としての役割も全うしているようだ。
タレントの坂本一生(48)はこんなエピソードを語る。
「もう26年も前になりますが、『新加勢大周』でデビューし多くの皆さんに芸名でイジられていたころ、オール阪神巨人さんはいつもあたたかく、声をかけてくださり、励ましてくださいました。大御所でいらっしゃるのに、先輩ヅラをすることなく、腰が低く、僕のようなポッと出もバカにしない。どの世界であれ、生き残っていく人は違うなぁと思いました。受章おめでとうございます」
幾度もの解散危機を乗り越え、50周年も見えてきた中での吉報。「頑張ったらこんなご褒美もある」と、珍しくうなずき合っていた。
(取材・文=中野裕子)