漫才師・西川のりお 変わった服を着る企画の“金ピカ衣装”
80年代初頭の漫才ブームで大ブレークした上方漫才の大御所「西川のりお・上方よしお」。忘れられない写真は当時のステージ写真だという。西川のりおさん(67)にそのエピソードを語ってもらった。
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この写真は「花王名人劇場」(関西テレビ・フジテレビ系)に出演した時のものですわ。着ているスーツが金ピカのピッカピカ、えらい地味でしょ?(笑い)。僕らが漫才ブームで人気に火がついた少し後ぐらい、82年とか83年あたりやと思います。衣装は番組で「コンビのどちらかが変わった衣装を着る」という企画があって、制作スタッフさんが用意してくれたんですよ。特注も特注、この世でたったひとつだけ。忘れようにも忘れません。
■当時は毎週妙ちんちくりんなかぶり物か素っ裸
その頃は「変わった衣装」「かぶり物」というのも、僕のひとつのキャラやったんです。ちょっと振り返りましょう。
80年から始まった漫才ブーム。この年の1月に放送された漫才特集「花王名人劇場 激突!漫才新幹線」を皮切りに、4月スタートの「THE MANZAI」(フジ系)で火がついたといわれてるんです。
レギュラーは横山やすし・西川きよし、星セント・ルイスらベテラン師匠、若手はツービート、B&B、ザ・ぼんち、オール阪神・巨人、島田紳助・松本竜介、今いくよ・くるよ、そして僕ら。それまでいまひとつ波に乗れてなかった僕らにしたら、ホンマ、大きな転機やった。
僕は“暴走キャラ”いわれてね。相方をどついたり、首絞めたり、もうムチャクチャですわ。ガラガラ声で「ホーホケキョ」、腰を前後にクイクイ動かして「ツクツクボーシッ、ツクツクボーシッ」と意味もなく叫んだり。名時代劇「旗本退屈男」の主人公、早乙女主水之介をモチーフにした「パッ! 天下御免の向こう傷。パッ! 拙者、早乙女、パッ! 主水之介!!」って見えを切るギャグも最初のお披露目は80年とか、その前後ですよ。
そんな時、81年に始まったのが「オレたちひょうきん族」(フジ系)。ビートたけしさんがタケちゃんマン、さんまちゃんはブラックデビル。僕は毎週、毎週メークを変え、妙ちくりんなかぶり物をし、またある時は素っ裸ですわ。最初は沢田研二さんのパロディーで始まったけど、マーチングバンドの指揮者よろしく、右手を威勢よく上下に振りながら、「ツッタカター、ツッタカター」と行進する「ツッタカ坊や」を覚えてる読者さんは多いんちゃうかな。