6月歌舞伎“主役”市川染五郎の写真を載せなかった戦略ミス

公開日: 更新日:

 今月の歌舞伎座は夜の部の三谷幸喜作・演出の新作「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち」が話題。

 みなもと太郎の大長編マンガ「風雲児たち」の一部、大黒屋光太夫の物語が原作。幕末にロシアに漂流し、10年かけて日本に戻った人物だ。光太夫の船には17人が乗船していたが、日本に帰れたのは彼を含めて2人。ロシアに残ったのが2人で、残りの13人は死んだ。

 この過酷な物語を喜劇仕立てにした。笑わせるのは三谷の作風なので、批判してもしょうがない。「笑える歌舞伎」があってもいいだろう。

「これが歌舞伎なのか」という声もあろうが、結論の出ない話だ。松竹が「大歌舞伎」公演として上演しているのだから、実質はともかく、興行ジャンルとしては歌舞伎である。盛況なので、「歌舞伎を見たことのないお客さんを歌舞伎座に呼び込む」という興行目的は、成功したようだ。

■父・幸四郎はわめくだけ

 松本幸四郎演じる光太夫は、「頼りないリーダー」というキャラクター。こういう「頼りない役」は、この役者にぴったりだ。頼りないせいか、出ずっぱりの割には印象が薄い。わめいているだけにしか聞こえないセリフ回しは、意図した演技パターンなのか、本当に下手なのか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動