公演前夜に深酒し…田中真弓さんは知らない人の膝枕で起床
■酔ったフリして本音をズバズバ
逆に、酔ったフリしてシラフでは言えないことを演出家にぶつける高等テクニックを使うこともあります。今回の舞台「更地15」の演出家、大森博さんはとんでもなく厳しい演出をする方で、初めて出た時にはびっくりして、公演が終わった後の酒席で、「もう二度と出ません」「はっきり言って地獄でした」と言ってしまったんです。でも、次の公演を見に行ったら、ものすごく面白い。前言を撤回して、「もう一度出させてください」とお願いし、それ以来すっかり常連です(笑い)。
お酒は弱いけど好きですね。両親ともにお酒は強いし、父など一升空けても顔色一つ変えない酒豪でした。だからといって酒癖が悪いということはなかったです。そこも似てるかな(笑い)。
声の仕事はどうしても類型的で分かりやすい演技を求められるんです。明るい人はこう、暗い人はこうとか。それも楽しいけど、やっぱり生身の人間の芝居が好き。だから、声の収録は月曜から金曜までと決めて、舞台のオファーが入ってもいいように土日は事務所にスケジュールを空けてもらっているんです。今、年間7本ほど舞台をやっていて、ほとんどは小劇場なんですが、いつか明治座や新橋演舞場の舞台にも出てみたいですね。