大江アナは「WBS」強制休暇 テレビ界にも働き方改革の大波
テレビ局員にとっては大迷惑?
しかしドラマやバラエティー番組の収録現場への影響は大きいらしく、ある制作会社のドラマスタッフは、「現場にとっては『働き方改革』はハッキリ言って迷惑です」とこう話す。
「撮影は夜11時には終了するように言われているので、時間内に収まるよう段取りを組みます。しかし、押すことは当然ある。局からタクシー券はタレント本人だけなどと言われることもあり、芸能事務所の若いマネジャーや制作会社のスタッフは局で朝まで時間を潰していることもある。モノ作りの現場にとっては働き方改革なんてしょせんムリな話です」
一方、芸能担当記者の暮れの仕事のひとつである「NHK紅白歌合戦」のリハーサル日程も今回は変わった。一昨年末は12月29・30・31日の3日間だったが、昨年末は、28・29・30・31日の4日間だったのだ。リハーサル取材は、スタジオで音合わせなどが終わったタレントが順にフォトセッションや囲み取材に応じるもので、スケジュールが押すと、夜の10時を回ることもある。それを回避するために余裕のある日程を取ったと記者の間では言われていたのだが……。NHKに聞いてみた。
「リハーサル日が例年より1日多かったのは、NHKホールのスケジュールの都合によるものです」(NHK広報局)
例年、同ホールは「NHK交響楽団」がギリギリまで使用しているが、今年は1日早く終わったので、その分、リハーサルに1日多く使えたという。ちなみに4年前の「第67回」のときも同じ理由でリハーサル日は4日あり、「働き方改革」が直接的な理由ではないらしい。しかしながら、具体的な内容は分からないものの、「紅白歌合戦の制作現場においても毎年、すべての過程において『働き方』を意識した改善を進めております」(同広報局)というから、やはり現場は一昔前と同じというわけではないのだろう。
クリエーティブな現場には「働き方改革」はそぐわないという意見もあるし、そのシワ寄せは正社員ではない下請けに回るだけ。時代の流れが変わっているのは確かだが、納得いかないテレビマンは多い。