著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

クロちゃんは視聴者に軽蔑と憧れの感情を起こさせる怪物

公開日: 更新日:

「憎まれっ子世にはばかる」をこれほど体現している人物もほかにいないだろう。甲高い声に不似合いなスキンヘッドとヒゲの巨漢。「モンスター」の異名を取る安田大サーカスクロちゃん(43)が、ここ数年、なぜか空前の大ブレークを果たしているのだ。

 そのきっかけになったのは「水曜日のダウンタウン」だ。この番組では、彼に対するドッキリ企画がたびたび行われてきた。クロちゃんは毎回、視聴者の予想をはるかに上回るリアクションを示して爆笑をさらってきた。そのため、ドッキリ企画はどんどん大がかりになっていった。

 クロちゃんブームの決定打になったのが2018年、この番組で行われた「モンスターハウス」という企画だ。フジテレビの恋愛バラエティー「テラスハウス」を真似た恋愛企画の中で、クロちゃんは次々に問題行動を連発。自撮りのふりをして女性を盗撮したり、女性が座っていたクッションに顔をうずめたり、2人同時に口説こうとしたり、気持ち悪い言動の数々で視聴者を凍りつかせた。

 さらに、2019年の新企画「モンスターアイドル」では、アイドル好きで知られるクロちゃんが女性アイドルグループをプロデュースした。16人の候補者の中から彼が独断でメンバーを選抜した。プロデューサーの権力を利用して、女の子の手を握ったり、抱きついたり、口説こうとしたり、傍若無人な振る舞いを見せた。最後にはCD購入による一般投票によってクロちゃんの解任が決まり、一件落着となった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    悠仁さまの進学先に最適なのは東大ではなくやっぱり筑波大!キャンパス内の学生宿舎は安全性も高め

  4. 4

    過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?

  5. 5

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  1. 6

    《次の朝ドラの方が楽しみ》朝ドラ「あんぱん」の豪華キャストで「おむすび」ますます苦境に…

  2. 7

    国民民主党・玉木代表まだまだ続く女難…連合・芳野友子会長にもケジメを迫られる

  3. 8

    「人は40%の力しか出していない」米軍特殊部隊“伝説の男”が説く人間のリミッターの外し方

  4. 9

    瀬戸大也は“ビョーキ”衰えず…不倫夫をかばい続けた馬淵優佳もとうとう離婚を決意

  5. 10

    迫るマイナ保険証切り替え…政府広報ゴリ押し大失敗であふれる不安、後を絶たない大混乱