ピエール瀧の復帰は早すぎか?「芸能界は甘い」に物申す
一方、映画であれば、それを分かった上でお金を払って見にいくのだから、その料金を払った観衆に対して文句のつけようがない。出演させる側がピエールのマイナス面以上に彼を必要とするなら、それでよしということだろう。
また、それ以上に、ピエールの仕事復帰ということで雑誌・新聞などに取り上げられれば、それが宣伝になるという“スケベ根性”を持つ人が、映画関係者の中にいると考えることもできる。とにかく、執行猶予中の復帰は不可という近年の厳しい慣例に対し、ひとつの風穴をあけたということだ。
もうひとつ、芸能界は甘いという批判についても、僕は甘いというわけではないと考える。その映画がヒットすれば御の字だが、当たらなかった場合、ピエールの影響と考える製作サイドもいるだろう。いい仕事ができたという評価が下されなければ、次の仕事、またその次の仕事と続けるうちに「彼は必要ないな」という意見が出てくる。つまり、早期復帰のピエールは実力が余計に問われる。もろ刃の剣というわけだ。
芸能界もプロ野球選手と同じで、レギュラーの数は決まっている。ケガをした選手が、ポジションを奪われたくないといって体調が万全でないまま復帰。再び故障すれば引退も覚悟しなくてはならない。すべて自己責任ということになる。
ピエールについてはバンド活動での復帰の方がハードルはやや低かったと思うが、少なくとも彼はそれを選ばなかった。さあ、その結果がどうなるのか見ていこう。