木村拓哉は事務所がスターにしてくれたという意識から残留
映画の舞台挨拶などで自分を飾る言葉が「主役の」ではなく「俳優部の」といった表現になるのはその表れだ。極め付きには「木村拓哉とは?」と問われて「しょせん、ちっぽけ」と答えている【※8】。
自分を小さく感じることで、現在の成功は自然に周囲のおかげととらえられるようになる。“我を張らず”に周りに感謝する木村は、ジャニーズタレントに共通する「事務所が自分をスターにしてくれた」という感覚を実は誰よりも強く持った男なのではないだろうか。
それゆえに、逆風も予想される中で、事務所に残る決断をした。かつて糸井重里が若き日の木村拓哉に「自分の強みは?」と聞いたところ、こう返ってきたという。「自分の強みはジャニーズです」と【※9】。
【※1】「Myojo」2015年5月号
【※2】「Views」1995年8月号
【※3】「開放区」