木村拓哉は事務所がスターにしてくれたという意識から残留
ただそれも、世間の求めるイメージに合わせた部分があるだろう。映画監督・三池崇史の「24時間“木村拓哉”なんですよ」【※4】という発言が象徴するように、木村はなかなか自身の胸中や過程をさらさない。拙著「ジャニーズは努力が9割」を編む中でも、木村拓哉の章だけは、木村自身ではなく、鈴木おさむの「木村拓哉って何でもできちゃうよねって言う人は多いけど、何でもできちゃうように、彼は頑張っているんですよね。木村拓哉はまさに“努力”の人」【※5】といった周囲が木村を語る言葉を中心に構成している。
約30年分の過去の発言を遡っても「こんなに頑張りました」といった類いの発言は、ほぼ皆無。自身も「(努力は)人に誇示する必要はない」【※6】と言う通り、“主張しない美学”を持った人なのだ。
だからこそ誤解もされやすいが、もちろん木村は頑張らない人でも、孤高の人でもない。
「僕は『がんばる』っていう言葉の語源があまり好きじゃないんですよ。『“我”を張る』っていうことなので。そうじゃなくて、もっと周りの人たちを信頼しながら、仕事を楽しめる要素を見つけることが大事なんじゃないかな」【※7】と語る木村は、実は自分を過大評価せず、信じられる仲間を見つけることで仕事に邁進していくタイプ。