五輪延期で目算狂う NHK朝ドラ「エール」は多難なスタート
NHKとしては、さまざまなスポーツ大会や試合中継で、「この曲は古関裕而さんの作曲です」とアナウンスして「エール」につなげる皮算用だったのに、すべて狂ってしまった。さらに、収録そのものが12日まで見合わせという。
新型ウイルスで想定外ということでは、志村けんの死去もある。東京に出てきた古関をコロムビアレコードに推薦する大御所作曲家・山田耕筰がモデルの役なのだが、すでに収録が進んでいたから、代役というわけにはいかない。5月1日放送に登場して、数回出演して突然いなくなるという台本修正になりそうだ。
「この朝ドラの見どころのひとつに、出演者たちが、吹き替えではなく、本人が歌うというのがあります。そのため、森山直太朗、山崎育三郎、古川雄大、井上希美といった本格派の歌手が重要な役で出演し、窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子も歌う。それがいずれも大正・昭和のヒット曲なので、音楽番組としても楽しめる仕掛けになっているんです。ドラマが中だるみするタイミングで懐かしい名曲を流せば、視聴者はたちまち戻ってくるでしょう。これにオリンピックが重なれば、完璧だったんですがねえ」(テレビ誌デスク)
第2週は、オペラ歌手・双浦環役の柴咲コウが教会シーンで歌う。
(コラムニスト・海原かみな)