バリカンで丸刈りにしてみたら「ハゲ」を受け入れられた
僕はもう怖いものはないとウキウキ気分だったのですが、一つだけ困ったことがありました。それはバイクの運転。ヘルメットをかぶらないとならない。でもかぶってしまうと島の崩壊の恐れが。ここで僕のどっちつかずの性格が出てしまいました。恥ずかしい話ですが、ヘルメットを脇に抱えて運転したのです。謎の“ノーヘルではありませんよ”アピールです。当然警官に違反で捕まってしまいました。
「ヘルメット持ってるさー何でかぶらんの!?」と不思議そうに僕を見つめる警官の顔を今でも忘れません。それを機に、なるだけバス移動に変更。それからは順調だったのですが、25歳の時にみんなで撮った写真を見ると、ん、まさか……完璧だったはずの島に穴があいていたのです。光の反射? 違う。あんなに頑張ってきたのに。こんなに一瞬でやすやすと。力が抜けました。もうあがいてもムダだと。
こうなったらハゲを認めて受け入れるしかない。本当の僕を見てみよう。バリカンで頭を丸めました。怖かったけど、鏡に映った自分を真っすぐに見つめてみました。あれ~すごくすがすがしい。何か自首した気分です。本心は隠すのに疲れていたんです。身も心もスッキリしました。