元従業員がパワハラ提訴 アップリンク代表の良からぬ評判

公開日: 更新日:

 コロナ禍におけるミニシアターの困窮を訴えていた“時の人”が、まさかのパワハラで訴えられる事態となっている。

 映画配給や映画館などを運営する「アップリンク」(東京都渋谷区)代表の浅井隆氏(65)からパワーハラスメントを受けたとして、元従業員5人が同氏とアップリンク社に対し、損害賠償などを請求する訴訟を起こしたことを明らかにした。請求額は、4人が各自165万円(弁護士費用15万円含む)、1人が100万円。原告5人の就労期間は10カ月から約4年間。

 1993年に映画の配給会社としてスタートしたアップリンクは、東京・渋谷や吉祥寺などでミニシアターを運営しており、世界の映画祭で話題の作品をはじめ、アート系や人種差別などの社会問題、インディーズ作品など大作に限らず、幅広く配給・上映する多くの映画ファンに愛されるミニシアターだ。

 16日の会見では、

・休日返上の業務中に浅井氏から猫カフェに一緒に入店するように求められ、業務と無関係に2時間拘束されたこと

・従業員に対して「精神疾患者を雇った俺がおかしかった」との発言

・浅井氏が落としたゴミや飲み食いした物などを浅井氏自身が拾うことができるにもかかわらず、従業員に拾わせていた

・アップリンク従業員や映画館利用客の面前での叱責

・サービス残業を当然視した言動

 といった事例が公表された。

 原告代理人の馬奈木厳太郎弁護士は「1人や2人の社員に対するパワハラというレベルを超え、会社全体の問題として取り上げるべき深刻さ。一過性のものでもなく、多様なハラスメントが繰り広げられていた実態があると考えられる。言動的なセクシャルハラスメントも裁判の主張の中に一部含まれている」とし、証拠の音声データなどもあるという。

■業界では過度なワンマンとして知られた存在

 浅井氏は映画業界において名の知れたプロデューサーで、寺山修司が創設した劇団「天井桟敷」では舞台監督をしていた経験を持つ。新型コロナウイルスの感染が拡大し、全国の多くの劇場が休業する中、危機に陥った映画館の惨状などをSNSやメディアの取材などで訴えていた有名人でもある。

 しかし、だ。聞こえてくる浅井氏の評判は以前から芳しくなかったようで――。

「映画業界の中では過度なワンマンとして知られ、周辺では不満不平の声が上がっていた。浅井氏のエキセントリックな一面は知られた話で、今月11日に開業したばかりの『アップリンク京都』においても、地元への配慮や協調性を欠いた強引な手腕が反感を招き、近郊のミニシアターとの間に摩擦が生じていると聞く。今回、訴訟に踏み切った元従業員たちの尊厳が守られ、訴訟に踏み切った思いが無駄になるようなことには決してなってはならない。それと同時に映画業界全体が十把一絡げでパワハラが横行しているといったイメージが持たれるようなことにならないよう切に願うばかりだ」(映画興行関係者)

 多様性のある作品を世の中に発信してきた同社の理念に憧れ、夢を抱いて入社した従業員たちはもとより、多くの映画ファンを裏切るようなパワハラ行為がなされていたのか。会見同日、被害者の会が設立されたことも発表された。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  3. 3

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  4. 4

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  5. 5

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  1. 6

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  2. 7

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  3. 8

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

  4. 9

    中居正広が払った“法外示談金”9000万円の内訳は?…民放聞き取り調査で降板、打ち切りが濃厚に

  5. 10

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭