ようやく戦争が終わり…菊田一夫とのコンビでヒット連発
とはいっても、脚本を担当した菊田はいろいろやりあったらしい。1回15分の放送を要求するCIEに対し、菊田はそんな短い時間では1話が収まらないと主張したのである。だったら回数を増やせばいいと、CIEは譲らず、結局、菊田が折れたが、15分の長さはリスナーに飽きさせないという意味でちょうどよかったようだ。ドラマは大人気となり、放送回数は790回にも及んだ。
その一方で、ドラマの中で「バカ野郎」「ぶっ殺してやる」といったセリフがさかんに出てくるのに抗議する大人も少なくなかった。当初、CIEは「無知蒙昧な親たちを気にするな」と菊田を支持していたが、しばらくすると「聴取者の意見も尊重しなくては」と言うようになる。菊田も次第に熱意を失い、ロングランも終焉を迎えたのだった。