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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

ようやく戦争が終わり…菊田一夫とのコンビでヒット連発

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■CIE主導で生まれた「鐘の鳴る丘」

 さて「鐘の鳴る丘」だが、「エール」では池田が企画を持ち込んだことになっているが、事実は少し違うようだ。菊田は「鐘の鳴る丘前後」(「文芸春秋」1952年6月号)という寄稿文の中で次のように語っている。

「『鐘の鳴る丘』が企画されたのは、CIE内部に、その以前から、浮浪児救済問題を採り上げる企画があったところへ、フラナガン神父が来朝したので、これを機会に……と、いうことになったのだそうです」

 フラナガン神父とは、GHQのマッカーサー司令官が日本の戦災孤児対策で招聘した人物。赤い羽根助け合い共同募金も、彼の提案によって始められた。

 そしてCIEとは、占領軍民間情報教育局のこと。被占領国・日本の放送を監視・指導するための機関だった。NHKは完全に彼らの言いなりだった。少しでも反発する姿勢を見せると、その社員はすぐにクビになった。そうした中で、CIEの主導で生まれたのが「鐘の鳴る丘」だったのである。

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