柏原芳恵「ト・レ・モ・ロ」は筒美京平先生に言われて…
そんな時に僕がコンピューターを使って音楽制作をするようになったと、筒美京平先生のお耳に入ったみたいで「船山君、フェアライトで新しいアルバムを作ってみようよ」って声をかけてくださったんです。
多分2年近く日本の音楽業界を離れていた僕を気遣ってくださるお気持ちもあったんだと思います。うれしかったし、ありがたかったですね。制作の過程では、いろいろと苦労がありました。
アレコレやっていくうちに、当時のコンピューターの性能では僕が目指すような音楽はできないということに気づきましてね、生の楽器をかぶせてみたりしながら、マニピュレーターと試行錯誤を繰り返しましたね。京平先生も気にかけてくださって、たくさんアドバイスをしてくださいました。
そうやってできあがったのが「ト・レ・モ・ロ」が収録されたアルバム「Luster」です。苦労した分、ヒットした時はうれしかったですね。僕一人の力では到底できないことでしたから。
そういう意味でも心に残るアルバムですね。