松たか子「大豆田とわ子」がディープなファンを掴んだワケ
「世帯視聴率だけを狙うと、どうしても予定調和というか、展開がある程度予測できそうな作りになりがちですが、『まめ夫』は近年の連ドラでは明らかに異質。拒絶する人もいる一方で、ハマる人がいるのも分かります」と語るのはテレビコラムニストの亀井徳明氏。
亀井氏は「適度にお約束がありながら、いい感じで視聴者をはぐらかすところに心地よさがある」と、こう続ける。
「市川実日子さんが演じたとわ子の親友が第6話で他界。ザワついた視聴者を、その1年後に時間を移した第7話でオダギリジョーさんを登場させることで、一気に前のめりにさせました。かといってオダギリさんが全部持っていったわけではない。“元夫1”の松田さんは掴みどころのなさと色気が独特なキャラですが、オダギリさんもその路線で妖しさだらけ。かぶりそうな2人の魅力を両立させているのは凄い。同時に元夫2と3のキャラもしっかり輝かせながら、30代、40代の心の機微も描く、脚本と演出の絶妙なバランス感覚が素晴らしいですね」
初回に1話限りの結婚詐欺師役で斎藤工(39)を登場させるなど、「そのキャスティング力に驚かされます。久々に、プロデューサーの“自分が見たいものを作る”という強い意志と行動力を感じました」(制作会社関係者)。
ディープなファンは確実に掴んでいそうだ。