山口洋子と姫のホステスたちはキックボクシングに熱狂
「ところでママ、時間ある? このキックボクシングの代表を紹介したいんだけど」
「会う会う!」
程なくして、洋子の前に仕立てのいいスーツを着こなした、小柄でやせ形の男が姿を見せた。従来の興行師のイメージとはまったく程遠い、秀麗な顔立ちの優男である。
「初めまして、野口です。今日はようこそお越し下さいました」
これが運命の出会いになろうとは、紹介した森忠大はもちろん、野口修も山口洋子も、この時は、まったく想像できなかったに違いない。 (つづく)