原哲男さんから「本多君“てんどん”はなんで“てんどん”いうか知ってるか?」と聞かれ…
吉本新喜劇で「カバのてっちゃん」としておなじみだった原哲男さん。私が新喜劇を初めて書かせていただいた1990年に新喜劇から脱退されていますが、以降も人気時代劇「剣客商売」の藤田まことさん演じる秋山小兵衛の若妻・おはる(小林綾子さん)の父親役など、数多くのテレビ、舞台で活躍されました。私もバラエティー番組などで何度もご一緒させていただき、いろんな話を伺いました。
ある番組の収録の休憩時間に「本多君“てんどん”はなんで“てんどん”いうか知ってるか?」と聞かれました。お芝居の中で、思いを寄せる人への告白や、強盗犯から人質を奪回するための作戦を立てて練習するのですが、本番ではセリフや順番を間違ったりして台無しにしてしまう。新喜劇の定番パターンを“てんどん”といいます。
聞かれた私は知りませんでしたし、その由来など考えたこともありませんでしたから、
私「いえ、知らないです」
原「そうやろな、みんな(新喜劇の座員)も知らんと思うわ。教えといたろ」と、新喜劇の作家として書きだしたばかりだったので「なんで僕に?」と思いながらもワクワクしたことを今も覚えています。