鮎川誠さんは「群れるのはロック的ではない」と言った
五輪反対派は怒るだろうが……。雨が降らないときに雨乞いをするように、東京五輪は「コロナ退散」の儀式だった。そもそも世界のトップアスリートが、せっかく日本で躍動する姿を見せてくれているのに「あえて見ない」というのもおかしな話。パラリンピックの熱い戦いもしっかり見守りたい。それにしても五輪期間中はテレビで競技を見る、ロックを聴く、読書にいそしむ――という3パターンで一日を過ごした。その中の「五輪」がゴソッと抜け落ちてしまった。大好きなサッカーは男女ともにメダルを逃したし、今は何とも寂しい時間を送っている。今回は「シーナ&ロケッツ」のリーダー鮎川誠さんのインタビュー第3弾をお届けしたい――。
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平野 自分自身は祖父が米国人。父が2世で私はクオーター。鮎川さんの父は米国人。差別などありましたか。
「田舎やったし、目の色の違う子供が生まれたちゅうって隣の地区の先の先の先まで(情報が)行き渡りました。『可愛い子ね』と優しくしてくれる人もいれば『あっちに行ってなさい』と言う人も。父は亡くなるまで連絡をくれ、僕はハーフの中でも<幸せな育ち方>をしたと思っています。子供ながらに<オレは(他人と)違う>と思いましたが、ロックが<オレはオレ。オマエはオマエ。みんなそれぞれに個性があり、違う人間なんだ>と教えてくれた。ロックに感謝しています」