鮎川誠さんは「群れるのはロック的ではない」と言った
平野 それこそデビュー前から、鮎川さん自身は「他者とつるまない」音楽人生を貫いていると思います。
「かたくなに<あくまで我が道を歩く>と思っているわけではありません。でも群れたり、徒党を組んだり、そういうのは<ロック的ではない〉と思います。音楽を始めたのは<世に出る>のが目的ではなく、ロックやブルースなど好きになった音楽を『腹いっぱい演奏したかった』から。その思いは変わっていません」
平野 シーナ&ロケッツ結成のきっかけは?
「サンハウスってバンドが1978年に解散した後、東京に1人で行ってギターを弾いたり、作曲や編曲をしたり、そうこうしているうちにシーナも上京。移動中のタクシーの中だったかな、シーナが『私も自分の歌ったレコードを自分で聴いてみたい』と言うたんよ」
平野 シーナさんと30枚以上のアルバムを作り、精力的にライブもこなした。そのシーナさんが2015年、亡くなってしまった。
「オレが落ち込んでいるのを知った仲間たちが4月7日を<シーナの日>としてライブをやろうよち、声をかけてくれました。今年の4月7日、上京して以来、ずっと住んでいる下北沢で7回目のライブをやりました」(この項つづく)