サニーフランシスさん「ここがヘンだよ日本人」での辛口が人気だったインド出身タレントは今…
サニーフランシスさん(テレビ&ラジオ パーソナリティー)
ビートたけし司会で大人気だったバラエティー番組「ここがヘンだよ日本人」(TBS系)。ゾマホン、ケビン・クローンらレギュラー陣から人気タレントになった外国人は少なくない。辛口発言で注目されたインド出身のサニーフランシスさんもそのひとりだ。番組終了は2002年3月。さてサニーさん、今どうしているのか?
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神戸市灘区。JR神戸線・六甲道駅から6分少々歩いた国道2号沿いにレモンイエローの壁と赤いサンシェードが一際目立つ2階建ての店がある。経営する台湾とインド料理のテークアウト総菜店「…Wife is Boss(ワイフイズボス)」だ。
「今月8日にオープンして丸18年になりました。僕がインド、ワイフが台湾出身なので、両方の“いいトコ取り”です。店名? 『いくら旦那が懸命に働いても、疲れて家に帰ってきておいしいご飯を用意してくれる奥さまが本当のその家のボス』という意味です」
番組出演時に長かった髪の毛はスキンヘッドに。人気俳優ブルース・ウィリスにチョイ似だが、白髪まじりのヒゲを輪ゴムでまとめ、ちゃめっ気がある。
「最初は平日のランチで始めたんです。料理を作るのはワイフやから、土日だけの営業に変えたり試行錯誤を繰り返し、子供たちの出産・子育ての期間は休業してました。で、昨年10月31日に4回目の再開。今は土曜日だけの営業です」
サニーさんが「僕の母の味!」と太鼓判を押す定番の「チキンレバーカレー」(600円)のほか、大半が週替わり。先週土曜日(8月21日)は、タンドリーチキン(550円)、台湾の唐揚げとエリンギセット(700円)など、当日メニューも含め20種ほどをラインアップした。
「食品ロスを少なくしたいので、なるべく予約をしていただくとうれしいです。店のフェイスブックで水曜日ごろにメニューを公表しますので、ぜひ見てね」
タレントとしては関西で3本のレギュラーを抱える。
「朝日放送ラジオの局アナ・八塚彩美さんとの『サニー・フランシスのマサララジオ』が毎週日曜18時から。サンテレビの情報番組『NEWS×情報 キャッチ+(プラス)』(平日17時~)ではコメンテーターとして隔週木曜に出演し、職人さんをリポートする『ニッポンのSHOKUNIN』コーナーを担当しています。それとFM COCOLOの『フロム オーバー シーズ インディア』(日曜5時~)です。大好きなおしゃべりが仕事になるやなんて、ホンマ、ありがたいことですわ(笑い)」
ほかに、人権問題や比較文化、教育関係などの講演会の講師に呼ばれることも。
「さすがに、こっちは新型コロナのせいで2年前に比べると半分以下。でもリモート対応できますので、大歓迎ですよ」
「たけしさんは1本ン万円のワインをぐいぐい」
インド・ケララ州生まれ。地元大学卒業後の1986年に知人に誘われて来日して最初に住んだのが大阪・西成だった。
「今も忘れませんわ。コーポ恵。管理人のオバちゃんが世話好きでおせっかい。“日本のお母さん”と言うてもいいくらい親身になってくれました」
日本語を大阪YMCAで学び、その後は通訳をしながら俳優、タレントとして活動。留学生仲間と立ち上げた劇団「EN」のメンバーのひとりが奥さんだ。
転機は阪神・淡路大震災をきっかけに95年10月に開局した「FM COCOLO」のパーソナリティーに抜擢されたこと。そして「ここがヘンだよ日本人」には99年からレギュラー出演し、全国区人気となった。
「たけしさん、テリー伊藤さん、ラモス瑠偉さんらと同じスタジオにいるってだけで緊張しまくり。でも、関西から行く限りは何か爪痕を残さなきゃ、ってそればかり考えてた」
何回か出演した後、たけしさんご指名で、ほかの出演者5人とイタリアンレストランでごちそうになった。
「収録が終わってからなので、食事を始めたのが深夜1時くらい。それからお開きの4時くらいまで、たけしさんは1本ン万円ほどのワインをぐいぐい飲みながら独演会。今から20年ほど前とはいえ、凄いタフ。しかも帰り際、全員にタクシー代をくれました。粋なんですよね」
同番組出演は3年半に及び、タレント業は忙しくなった。
「今もこうして活動していられるのは、あの番組に出演できたからです。ホンマ、感謝感謝ですわ」
奥さん、2女1男の5人暮らしだ。
(取材・文=高鍬真之)