小室眞子さんを「税金で生活しているくせに」とバッシングすることの間違いと怖さ

公開日: 更新日:

 典型的な例は日本学術会議の任命拒否だ。税金をもらっているなら国民の代表者である政治家の言うことを聞け、でないと任命できませんよというわけである。これも眞子さんらへのバッシングと五十歩百歩だ。この連中に共通しているのは、使われた税金が自分のお金だと錯覚していることである。眞子さんのケースは、妄想した一部の連中が大騒ぎしたことが広がったために堂々と「世論」になってしまった一例だが、これが同じように「政治家の言うことを聞け」となったら、もうファシズムである。

 それにしても、なぜ皇室は税金で維持されるようになったのだろうか。日本が戦争に負ける直前の皇室には、推定2兆円の財産があった。戦争に負けたことで、皇室にお金を持たせちゃ危ないというわけで、日本を占領したGHQは皇室財産を解体して国に移管させた。多くの国民は、その財産を享受してきたはずだ。例えば皇居外苑を散歩したとする。自由に出入りできるのも国に移管されたおかげなのだ。

 皇室が税金で支えられるようになったのはわずか75年前のことであり、それも皇室が望んだことではなく、外国の軍隊によって強制されたことを、当時の国民が認めたということだ。最初から税金で賄われていたわけではない。

 ただ、そういったことを知った上でも、「税金泥棒」うんぬんは、税を循環させることで支えられている民主主義国家を否定することになるだろう。(つづく)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動