世間体や肩書、空気にも流されない正しさが加賀まりこの「怖さ」の理由
何しろ、加賀まりこといえば若い頃から「小悪魔」と呼ばれる百戦錬磨。さまざまな男性と対峙してきた。その中にはあの川端康成もいる。「単なる私のファンだから。要するに、私を見てたいっていうだけのことなのよ。手を出すとかないわけだから。爛々とした目でじっと私を見ているっていうだけのデート」(フジテレビ「ボクらの時代」2021年10月24日)をしていた。
ノーベル賞作家をして「加賀まりこは僕のことをホントに大事に扱ってくれないから凄くいいんだ」(同前)と言わしめたほど。小手先のテクニックが通じるはずはないのだ。
父親が映画プロデューサーだったため、家には俳優や監督が訪れ、子供の頃からそんな世界の近くにいたが、女優になるなんてカケラも思っていなかったという。しかし、篠田正浩と寺山修司に「ヒロインがいなくなって困ってる」と請われ、助ける形でデビュー。だから、新人らしい「初々しさはなかった」(NHK「あさイチ」21年11月5日)と本人は言う。
「世間体って一体なんなのみたいなところがあって、ウチの母なんかそういうものはモノサシにするなってタイプでしたから」(テレビ朝日「徹子の部屋」15年5月4日)