ドキュメンタリー映画「ボストン市庁舎」が活写する公職者のあるべき姿
出演している毎日放送の情報番組「よんチャンTV」で、大阪府の吉村洋文知事は日本維新の会の代表にはならないことを明言した。その理由として知事としての業務に専念する必要があるとした。
当然だと思う。新型コロナウイルスへの対応を考えても、知事のすべきことは多い。政治的な活動をしている暇はない。残念なのは、吉村知事がこの選挙戦で実質的な党の代表として活動していたことだ。本来なら、それもすべきではない。知事に選ばれる際には政党の候補であり政党の推薦を受けるが、知事となったら政党のために仕事をするとはならない。
その吉村知事との関係で語られるべきは、「大阪ワクチン」とも呼ばれたアンジェス社のワクチン治験断念だ。効果が確認できなかったという。これは吉村知事が記者会見で大見えを切った取り組みだった。ところが、共同開発者の大阪大学に取材すると、まだ発表できる段階ではなかったという。つまり吉村知事の宣伝に踊らされた形だった。
この「よんチャンTV」で、京都市役所のリニューアルが取り上げられた。当初予算を21億円オーバーする159億円かけて、壁を「緞子張り」にした豪華な市議会議場などを完成させていた。外国の来賓をもてなす茶室までこしらえていた。京都市の担当者は市民の理解は得られていると語った。しかし、京都市の財政は破綻状態だ。市営バス、市営地下鉄は値上げとなり、保育料の実質値上げも検討されている。京都市の担当者の言葉に、どれだけの市民が同意しているのかは疑問だ。