得体の知れないNHKドラマ「しもべえ」 安田顕の怪演が笑えるが最後は泣くよ
NHK連続テレビ小説「なつぞら」では、人生と恋に迷ってばかりの息子をやさしく見守る和菓子店の父親(菓子メーカー「六花亭」創業者がモデル)、「ドラゴン桜」では平均偏差値36の高校生たちに読解力を付けさせようと必死になる国語講師。恐ろしげな顔がニコッとなるとき、ファンはしびれるのである。
「しもべえ」のような、変なおじさんが律義に若い女性を助けるお話はほほえましく、ドラマなどに結構多い。「私の家政夫ナギサさん」のナギサさん、アニメ「猫の恩返し」のバロン、カードローン「モビット」のCMでは、小芝風花が駅弁を買いそびれたりバスに乗り遅れたりすると、竹中直人の執事が現れてすぐフォローする。
「格差社会のいま、どんなに頑張っても報われなかったり、悔しい思いをすることの方が多くて、“こんなとき自分だけのお助けマンがいてくれたらなあ”とだれもが思いますよね。それをおとぎ話で楽しませてくれるのが、スーパーおじさんというわけです」(シナリオライター)
「しもべえ」は村田ひろゆきの漫画が原作で、少しネタばらししようか。しもべえはユリナの母親に見つかって、母子のために食事を作る羽目に……。お母さんはシングルマザーで、しもべえの作った料理を食べると、その味に思い当たる節があった。そして、しもべえはお母さんのセクハラの危機も救う。