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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<152>早貴被告は野崎さんの死も無感情で傍観者のように振る舞った

公開日: 更新日:

 早貴被告がクビをかしげた。

「お姉さんが勤めていた病院はどこだっけ?」

横浜の……忘れました」

 都内の病院に勤務していると聞いていたのでおかしい、とピンときた。

 新宿から横浜の病院に通うなんて絶対にウソだと思ったが、私はそんなそぶりは見せなかった。

「忘れた? で、キミの荷物はどうしたんだい?」

「後で送ってもらうことにしていますから、それもあって姉のところに行くんです」

 この年の4月に田辺にやってきた早貴被告は、衣服を入れたスーツケースだけで家財道具も持たず、ドン・ファンと一緒に暮らしていこうという様子はなかった。ドン・ファンはそのことで怒り、新宿のマンションを引き払うよう命じていたので、やっとそれに従うのだろうと思ったが、実際は違った。 =つづく

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